DBサーバ(データベースサーバ)とは、データを管理・保存し、クライアント(アプリケーションやユーザー)からのリクエストに応じてデータを提供するサーバのことです。
DBサーバを構築するとは、データベース管理システム(DBMS)をインストールし、適切な設定を行い、データの保存や管理ができる環境を整えることを指します。

DBサーバの構築手順

DBサーバを構築するには、以下のステップが必要になります。

1. サーバの準備

  • 物理サーバ / 仮想サーバ / クラウドサーバ(AWS, GCP, Azure など)を用意する。
  • 必要なOSをインストール(Linux: Ubuntu, CentOS / Windows Server など)。

2. データベース管理システム(DBMS)の選定

代表的なDBMSには以下のようなものがあります。

DBMS特徴
MySQLオープンソースで広く使われる、LAMP環境などに適用される。
PostgreSQL高機能でSQLの標準に準拠、データ整合性が強い。
MariaDBMySQLのフォークで、オープンソースとして発展。
SQL ServerMicrosoft製の商用DB、Windows環境と相性が良い。
Oracle DB大規模システム向け、高可用性と強力なセキュリティ機能を持つ。
MongoDBNoSQLデータベース、JSONライクなドキュメントストア方式。

3. DBMSのインストール

(1)MySQLを例にしたインストール(Linux)

sudo apt update
sudo apt install mysql-server -y

(2)PostgreSQLのインストール(Linux

sudo apt update
sudo apt install postgresql postgresql-contrib -y

4. 初期設定

  • rootユーザーのパスワード設定
  • リモート接続の設定(bind-addressの変更など)
  • ファイアウォールの設定(3306, 5432などのポート開放)
  • データディレクトリの変更(必要に応じて)
  • バックアップ設定(定期的なスナップショットやダンプファイルの作成)

5. データベースとユーザーの作成

(1)MySQLの場合

CREATE DATABASE mydb;
CREATE USER 'myuser'@'%' IDENTIFIED BY 'mypassword';
GRANT ALL PRIVILEGES ON mydb.* TO 'myuser'@'%';
FLUSH PRIVILEGES;

(2)PostgreSQLの場合

CREATE DATABASE mydb;
CREATE USER myuser WITH ENCRYPTED PASSWORD 'mypassword';
GRANT ALL PRIVILEGES ON DATABASE mydb TO myuser;

6. 接続確認

・ローカル接続

mysql -u myuser -p -h localhost
psql -U myuser -d mydb -h localhost

・リモート接続

mysql -u myuser -p -h <DBサーバのIP>
psql -U myuser -d mydb -h <DBサーバのIP>

7. 運用管理

  • バックアップ設定(mysqldump, pg_dump, cronジョブを活用)
  • 監視ツール導入(Prometheus, Grafana, Zabbix など)
  • 負荷分散(レプリケーション, シャーディング)
  • セキュリティ対策(ユーザー権限設定, ログ管理, SQLインジェクション対策)

DBサーバ構築のポイント

項目重要なポイント
サーバ選定クラウド(AWS, GCP)かオンプレミスか
DBMS選定用途に合ったDBを選ぶ(RDBMS vs NoSQL)
セキュリティファイアウォール, SSL, 権限管理, ログ監視
バックアップ定期的なダンプ取得, スナップショット
パフォーマンスインデックス最適化, クエリチューニング

まとめ

DBサーバの構築は、OSの準備 → DBMSのインストール → 初期設定 → 接続確認 → 運用管理 の流れで進めます。
クラウド環境(AWS RDS, GCP Cloud SQLなど)を利用することで、管理コストを削減できるため、プロジェクトの規模や用途に応じて適切な選択を行いましょう。
今回はMySQLとPostgreSQLを例にコマンドなどを紹介しましたが、別の DBMS に関しても実際に使用することがあればブログを残そうと思います。以上DBサーバ構築の基礎概要でした。