本記事では、AWS初心者の方向けにAWSの基礎的な知識を解説します。
こんな方におすすめ
- AWSを知りたい
- AWSを導入する理由を知りたい
- AWSの全体像やざっくりとしたイメージを掴みたい
ネクストはこれまで、500社を超えるお客様に技術で支援してきました。お客様の課題として多いのが、AWSを導入したいが社内にクラウド人材がいない、ITコストを抑えたいがノウハウがない、という声です。
むやみにAWSを導入する前に、まずはクラウドやAWSについての基礎を学習し、正しい知識を得ることが大切です。これからAWS導入をはじめたいと考えている方は、ぜひご一読ください。 →AWS導入支援はこちら
AWSとは?
AWS(Amazon Web Services=アマゾン・ウェブ・サービス)は、Amazon社が運営する世界のシェア1位のクラウドコンピューティングサービスです。
さっそく耳慣れない言葉が出てきました。
「クラウドってよく聞くけど、GmailやDropboxのことじゃないの?」
と思われる方もいるかもしれません。
クラウドは広く普及している言葉ですが、IT従事者でないかぎり(あるいはIT従事者であっても)、言葉の意味通りに掴みどころのない言葉です。
GmailなどのメールサービスやDropboxなどのファイルストレージもクラウドに含まれますが、AWSをはじめとするクラウドコンピューティングとは意味が異なります。
では、AWSはどのようなクラウドなのでしょうか。
クラウドコンピューティングとは?
クラウドコンピューティング(クラウド計算、英: cloud computing)は、インターネットサービスなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態である。略してクラウドと呼ばれることも多く、cloud とは英語で「雲」を意味する。クラウドの世界的な普及でオンラインであれば必要な時に必要なサービスを受けられるようになり、あらゆる業務が効率化され、社会の創造性を高めることに成功した。
クラウドコンピューティング – Wikipedia
ざっくり言うと、クラウドコンピューティングとは「インターネット上で、瞬時に、必要な分だけITインフラを利用できる仕組み」のことを指します。
AWSは、このコンセプト通りのクラウドコンピューティングサービスです。
クラウドの誕生は2006年にまで遡りますが、クラウドコンピューティングが私たち利用者にとってどのように画期的だったかを説明するには、やはりそれ以前のことも知る必要があるでしょう。
クラウドの登場で企業のITインフラ調達に革新
クラウドコンピューティングが普及する以前、企業や個人がシステムを構築し、運用しようとする際には、
- 多数のサーバー
- スイッチハブやルーターなどのネットワーク機器
- インターネット回線
などを準備する必要がありました。(特に使用者の施設内にこのような設備を設置することをオンプレミス、通称オンプレと呼びます。)
これらの設備は、膨大な投資と人的リソース、大きなリードタイムが必要でした。
そして2006年、クラウドコンピューティングが誕生します。サーバーやデータの保存場所を、好きな時に好きな分だけ使えるクラウドコンピューティングの普及はほとんどの企業にとって、とほうもなくいいことでした。なぜなら
- 膨大な投資
- 人的リソース
- 大きなリードタイム
こうした「ビジネスの成長を阻害するリソース要因」を排除し、本当に集中しなければならないビジネスの仮説検証にリソースを割けるようになったからです。
AWSの誕生
クラウドコンピューティングサービスの先駆けであるAWSですが、当初は余分なサーバーを他社に貸し出すという発想から始まりました。
元々は、Amazon がコスト削減のために実施した高価な Sun サーバーから安価な HP/Linux へのリプレースが完了したタイミングで、「小売業の繁忙期以外ではサーバーリソースが余剰となるため、空いているサーバーリソースを他社に貸し出せば良い」というジェフ・ベゾスのアイデアが生まれたことから、サービス提供の構想が始まった。
Amazon Web Services – Wikipedia
Amazonは本業のEコマースの利益を逼迫していたサーバーを安価な手段に移行したついでに顧客に貸し出すことを思いつき、ITインフラそのものをWebサービス化しました。それがAmazon Web Servicesです。
AWSはテクノロジーの発展とともに、顧客のニーズを的確に捉えたサービスを拡充し続け、以来、爆発的な成長を遂げています。
AWSがクラウドコンピューティング業界のリーダーである理由
2006年のAWS誕生以来、なぜAWSが長年クラウドコンピューティング業界のリーダーであり続けているのか、その理由をご紹介します。
- 先行者利益: AWSは2006年にサービスを開始し、クラウドコンピューティングサービスの先駆者となりました。この早期市場参入により、初期の顧客基盤を確立し、業界の基準を設定することができたのです。
- 多様なサービス群: AWSは300以上のサービスを提供しており、サーバー、ストレージ、データベース、機械学習、AI、IoTなど、多岐にわたるニーズに応えています。このサービスの多様性は、さまざまな顧客の要求を満たすことに成功しています。
- 拡張性と柔軟性: AWSはスケーラブルで柔軟なITインフラを提供しており、企業が事業規模や需要の変動に応じてリソースを簡単に調整できます。これは、特に変動が激しいビジネスにとって魅力的です。
- 信頼性とセキュリティ: AWSは高い信頼性とセキュリティを誇ります。堅牢なインフラ、データセンターの分散、強固なセキュリティプロトコルにより、大企業からスタートアップまで幅広い企業に信頼されています。近年、デジタル庁が手動する政府・地方共通のクラウド基盤の対象サービスにも選定されるほど高い信頼性とセキュリティを誇ります。
- 革新と継続的な改善: AWSは技術革新に常に注力しており、新しいサービスや機能の迅速な導入で市場をリードしています。これにより、最新技術を求める顧客のニーズを捉え続けています。これは本業であるEコマースの成長に伴ってニーズをいち早く拾える状況、「自社が顧客」であることも、革新を起こし続けられる理由のひとつと言えるでしょう。
- グローバルなリーチ: AWSのデータセンターは世界中に広がっており、地理的な利点を提供しています。これにより、世界的な展開を計画する企業にとっても魅力的です。
- エコシステムとコミュニティ: AWSは強力なパートナーシップと広範な開発者コミュニティを構築しています。私たちのような多くのサードパーティ企業がAWS上でのサービスやソリューションを提供しており、これがさらなる顧客の獲得につながっています。
これらの要素が組み合わさることで、AWSはクラウドコンピューティング業界でのマーケットシェアを拡大し、長年にわたりリーダーの地位を保っています。
AWSは誰でも使える
AWSは「インターネット上で、瞬時に、好きなだけ」ITインフラを利用できます。AWSの公式サイトからアカウントを登録し、管理画面にログインするとさまざまなITインフラを利用できるようになっています。
たとえば、Webサイトをホスティングするためにサーバーを借りる必要があるなら、EC2というサービスを選び、マシンのタイプを設定すれば瞬時にサーバーが起動します。
AWSのサービスは多岐にわたり、サーバー以外にも、ストレージ、データベース、機械学習、セキュリティといった幅広いカテゴリーがあります。これらのサービスは、ウェブサイトのホスティングからビジネスアプリケーションの運用、データ分析、人工知能の開発にいたるまで、さまざまな用途に使われています。
まとめ
今回は「AWSとは」と題して、AWSが起こしたビジネスの変革や歴史、利用イメージをご紹介しました。AWSとは.com では、AWSの基礎から実践までの学習を通じて、企業や個人のAWS導入を支援していく予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。